24 mars 2001

Idlewild / Everything But The Girl

 春先というのはいろんな出会いや別れがある季節であり、学生時代からのわたしの半生を振り返ってもいろいろ逆上したり発情したりケダモノ呼ばわりされたり花粉症になったりとセンチメンタルな想い出に事欠かない。そんな想い出の映像のバックに流れる数々のレコードは本当にいとおしい。

このアルバム「アイドルワイルド」にはある年の春、ちょっと人間やめたくなるほど落ち込むことがあったときに出あった。シンプルだけどやさしくて繊細で美しい楽曲、人生のちょっとした悲哀や幸福を静かに観想する歌詞、そしてトレイシー・ソーンの歌にわたしは文字通り魂を揺さぶられたのだった。半ば廃人と化しつつ春の陽射しを浴びながら毎日何回もこのレコードを聴き、「まあ、とりあえず、生きていってやるか。」などと独りごち、少しずつ暮らしていけるようになっていったのだった。この一枚があってこそ今の私がある。人生の五枚のうちの一枚。ノスタルジックな幸福の風景を閉じ込めたようなジャケもいつ見ても涙が出てくる。今年の春もいろんないい景色の場所でひとりこのアルバムを聴こう。
 それにしてもこの「すべて。ただしその女の子以外は」というバンド名はせつないな。この一節を目的語にとるいかなる文章を作ってみてもそれは救いようのない悲哀が漂う。

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