28 mars 2003

Hynt / Fernhill



 最近は以前ほどヨーロッパのトラッド/フォークのシーンを気合入れて追っかけることもなくなったが、このウェールズのバンドと、あとフィンランドのヘドニンガルナだけは一生ついていくつもりだ。

 この4枚目の新譜も凄すぎる。聴く前にはオーボエ奏者が脱けて新たにトランペットが加入したと聞いて、それはちょっとミスマッチなんじゃないのと思ったが、杞憂であった。ミュートを効かせた響きはバンドの荒漠サウンドに新たな寂寥感を加え、トラッドの木管楽器の代用という意味をはるかに超越し、ECM系ジャズの持つテンションすら醸し出している。

 間違いなく現在ヨーロッパ最強フォークシンガーの一人であるジュリー・マーフィーの歌もますます凄味と優しさともに増しており背筋がぞくぞくするし、ギターのテンション入りまくったバッキングも寒々と美しい。新加入のウッドベースがボトムを引き締め、デビュー以来最強の編成と言えるだろう。聴き手をウェールズの荒野に放り出す冷たさと、暖炉の炎のような温もりを兼ね備えた、手の切れそうに繊細なかつソウルフルな音楽。歌とギターが造る音楽の極北を味わいたい人、真の癒し系音楽を求めている人、ヨーロッパという風土と存在にどっぷりはまって苦悩したい人、みんな聴け。なんでこんなすごい音楽がマイナーなジャンルでしか評価されないようじゃ人類はダメだ。

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