Oofotr / Oofotr
ジャンルを問わず、スカンディナヴィアほど、風土や気候が音楽を形作る地域も珍しいでしょう。
ことしもそん音楽の数々が旬の季節がやってまいりましたので、例年の季節限定愛聴盤をいくつか紹介しましょう。
これは女性シンガー+キーボード奏者+ドラマーのユニットの95年作。ノルウェーのそのまた最北端、オフォーテン地方の伝統音楽を題材に、ジャズのみならず、アンビエント、プログレなどのエッセンスが渾然一体となった、雄大で澄み切った音楽を鳴らしています。
シンガーの声はジャズよりもトラッド寄りの、宗教的なまでのイノセンスを感じさせるヴォイスで、雪原の風景のようなストリングス系アナログシンセの音色と相まって、プログレ者のツボ直撃。ぐいぐい。
サックスほかのゲストプレイヤーも加えつつ、聖歌を思わせるシンフォニックな曲のみならず、ジャジーにスウィングしてみたり、ノイジーなシンセがびゅんびゅんいう暗黒系とか、ヨイクぽいヴォイスパフォーマンスとか、ヴァリエーションも多彩。
このアルバムのみのプロジェクトかと思ってたら2001年にセカンド「World ambient」を発表。ここでもオフォーテンの音楽を題材としながらも、ベタなタイトル通り、ジャズ色が後退してループを多用したアンビエントテクノ仕掛けの音になっているようです。
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