9 décembre 2005

Hjemmefra / Sijle

 年も押し迫ると、なぜかアカペラものが人気です。なにかこう、清らかな心持ちになるとでもいうのでしょうか。そんな季節に偽りの清らかさにひたりたいあなたに、この北欧の静謐なアルバムはいかが。

 SILJEと書いてセリアと読む。シルイェとはあたしのことかとセリア言い。よくわかりませんがこのノルウェーのシンガーの名はそうらしいです。

 パット・メセニーにデモ渡したら気に入られて英国からデビューというラッキーガールで、90年のデビュー盤はメセニー参加、アコースティックかつ透明感のあるいかにもユーロピアンな端整なポップスは日本でもかなり売れ、日本盤シングルにはタイトル曲の日本語ヴァージョン(湯○れいこ作詞)が収録までされました。ちなみに歌詞は「たーとーえどーんなにはーなれーても わたしーせつーない かぜになるー」という、意味不明なもので、いま聴いても頭を抱えます。
 でもアルバムはとてつもなくいい出来で、今でも愛聴しています。(ちなみに当時FMでライヴ音源が流れたのをエアチェックしたのも持ってますが、コレがまたアルバムよりもいいです。アルバム未収曲もあり)。

 その後インターナショナルに2枚のアルバムを発表しますが、コマーシャリズムと自らの音楽性の板ばさみに苦しんだようで、3枚目の「Cow on the highway」という、ちょっと自虐的なタイトルのアルバムを最後に英国のレーベルと決別します。

 その後ノルウェーに帰った彼女は95年、北欧の良質な癒し系レーベル、キルケリグから大傑作「Brevet」を発表。それまでの英語のアルバムに収録された曲の数々にノルウェー語の歌詞を付け直し、よりジャジーでシンプルな演奏に乗せて歌っています。過剰なアレンジとプロデュースが施された英語盤に比べ、彼女の曲の繊細な美しさが際立っています(ちなみにわたしの知り合いにクルマとかで聴かせるとほぼ100%「コレいいね、誰?」といいますね)。


 そして翌96年にリリースしたのがこのHjemmefra。英語盤の既収曲をノルウェー語で歌いなおすというコンセプトは同じですが、バックが8人編成の男声アカペラ&ボイスパーカッション(に加えて最低限の楽器)という形式になっており、荘厳かつ静謐な雰囲気が全編を支配しています。前作と甲乙付けがたい傑作です。


 この2枚でそれまでの音楽生活に一区切りつけた彼女は、小休止ののちジャズシンガーに転向、名前もSilje Nergaardとフルネームになって2000年の「Port of call」を皮切りに現在まで4枚のアルバムを発表しています。

 皮肉というべきか幸運というか、ジャズ転向後のセリアは飛ぶ鳥を落とす勢いでヨーロッパ全土で売れまくり、最新アルバムなどはドイツで史上3番目の予約枚数を記録したとか(ちなみに一番目はカイリーミノーグ、2番目はブリトニースピアーズだそうな)。

 個人的には、以前のナチュラルな歌い方が好きだったので、「Port of call」以降の、ちょっとわざとコケットな感じにしてるような発声はあまりグっと来ないのですけれど。

 ウェブサイトはここ。アル・ジャロウとの共演動画なんかもあります(どこかって?探せばあるジャロウ、なんちって)。このたび譜面集も出たそうで、欲しい。

 2010.12 動画追加しました。
 このアルバム出た年のもので、コーラスも入ってます。

Aucun commentaire:

Enregistrer un commentaire