On a warm summer night / Antena

毎年春先になると愛聴する一枚。
 87年、ベルギーのクレプスキュールからにリリース。今で云うカフェ・ミュージックの草分けみたいなこのレーベルは当時、このアンテナのほかドゥルッティ・コラムとかジェーンケリー・ウィリアムズとか、アコースティックで繊細な作品をいろいろリリースしていて、それぞれわたしの20代の思い出が詰まっており感慨深いです。

 このアルバムは、16ノリのジャズというか、欧風ソウルというか、ちょっと黒っぽいAORというか、米国ブラックミュージックの衣を纏いつつも芯はヨーロッパ的な情緒を感じさせます。
 楽曲も以後の作品に比べてもノスタルジックで美しいものが並んでいていつまでも聴ける良質のポップス。バックの演奏も生音志向でカッコよく、特にドラマーが冴えています。

 アンテナはベルギーなのに強引にフレンチお洒落モノとしておもに日本で売れ(フランスのショップでは売ってなかった・・・)、現在に至るまで作品をリリース(途中からイザベル・アンテナに改名)し続けていますが、個人的なノスタルジーを抜きにしてもこのアルバムが最高作とわたしは思います。(シャンソンのスタンダードをJAZZYに歌ったミニアルバム「巴里の憂鬱」も同傾向でヨイ)。

 なお、このアルバムにはテイク違い&何曲か歌詞が仏&西語のフランス盤「Fire」もあり。

 ちなみにこのアルバム、当時の邦題が「レテ・ソワール」。修飾関係間違ってるぞ。しかしそれが80年代というものさ、ああ夜霧のハウスマヌカン(サマーナイトを仏訳するんなら「ソワール・デテ」だろう)。

2010.12 音源追加しました。
怒涛の名曲「From day to day」。音質悪いけど。



前作のボサ名曲も。。

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