Carta straccia / Alberto Radius

 Formula Tre、Il Voloと70年代イタリアのプログレバンドで伝説を残したギタリストですが、世界中のプログレが突如死滅してしまった77年に出したソロアルバム。

 プログレ何それ俺しらねといった風情のメロウでポップなAORサウンドでありながら、哀愁大盛りのメロも、なんだかやたらプログレなアレンジ(押し寄せるシンセと時折ギュイーンと泣くギター)も、もうどうしようもなくイタリア臭くて、地中海の波がどっぱんどっぱんという感じでたまりません(そういう好事家のために80年代に日本盤も出ていた)。
 この臭さはその後のNino BuonocoreやFabio Concatoのイタリア伊達男AORに脈々と受け継がれていくのであった。

 おやメロウだねと思って油断するとメロトロンとソリーナが追っかけてくる。


 フォルムラトレの歌モノに似た歌心がよいですが、間奏はそれ以上にプログレ。


 A面の1曲目。地味だけどいい。
 動画が??とお思いでしょうが、イタリアは70年代後半まで左翼運動がどかんどかん盛り上がってロックシーンにも影響を及ぼしており、このアルバムの歌詞にも政治的な含みを持った部分がある、らしいです。(詳しくわかるほどイタリア語読めない。)


どの曲もすばらしいのですけど、すばらしいのはこのアルバムだけで(前作Che cosa sei?も世間の評判はいいけど)あとのアルバムはおすすめしませんねえ。

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