Kohtumistund / Hedvig Hanson

これまで5枚のアルバムを出しているエストニアのシンガー、これは2008年作の4枚目。
先立ってご紹介したLiisi Koikson よりもジャズ寄りといえるスタンスの作風で、この人もノルウェーのセリアやポーランドのアンナマリア・ヨペクに比肩しうる世界をもっています。

 初期のアルバムでは英語で歌った曲がほとんど(シャーデーのカヴァーとかもやってた)でしたが、3枚目からはすべてエストニア語の歌詞になり、このアルバムではこの国のシーンを代表するピアニスト、Kristian Randalu はじめとするメンバーがバックをかためています(フィンランドのJukka Eskola (tp)も参加)。
 ジャケ通り「秋」をイメージして作ったと自ら語る通り、秋のイメージを想起させる美しいコードが散りばめられ楽曲は北欧に通じる美意識に貫かれています。
 自作曲のほか、エストニアのポップス/ジャズのカヴァーも端正でジャジイなアレンジを施されて収録。
 2009年度エストニア国内ベストジャズアルバムに選出されたというのも頷ける出来です。
 CDbabyでダウンロード購入可。


 このアルバムのあと、過去のアルバムからエストニア語で歌った曲のみで編纂されたベスト盤を出して活動に一区切りつけた彼女は、2012年の新作ではうって変わって、ファンキーなホーンセクションをフィーチュアしたR&B色の濃いアルバムを制作。もともとホイットニー・ヒューストンに憧れてシンガーを志したとのことで、そういうのもやってみたかったんだろうなあ(最初にわたしが聴いたのがこのアルバムだったので、はじめはファンキーな人なのかと思った)。

 他のアルバムについてはまたいずれ。

PS。 2013年4月に新作がリリース予定。まだ音は公開されてませんが、前作の路線からどう出るか、楽しみなところ。→ 3/31新曲公開されました。いいねいいね。

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