Bright / Kari Ikonen Trio

 ちょうどいまフィンランドのカンテレ奏者シニッカ・ランゲランのツアーでドラマーのマルック・オウナスカリが来日中なので記念に。
 リーダーのカリ・イコネンもフィンランドのピアニスト。日本盤も出ているアルバム「Bright」はかの国らしい冷たい氷の芸術のごとき美しさと硬質なタッチで眩惑する快作、ですがわたしはこのアルバムはベーシスト買い。というのもベースのアラ・ヤラルヤンはアルメニア系エストニア人、エストニアのジャズアルバムから歌もののバック、果ては伝統音楽系のアルバムに至るまでクレジットを目にするひっぱりだこの人気プレイヤーであります。このアルバムでもとりわけアルコの使い方が印象的ですが、彼が提供したM③はルーツのアルメニアのトラッドをモチーフにしたこれまた耽美的なナンバーです。アルメニアの同郷のよしみでティグラン・ハマシアンとなんかやってくれないかなあ。
 オウナスカリは、以前制作したフィンランドの古い聖歌をアレンジしたアルバムが大好きで年間ベスト10にも入れたぐらいの。そっちではどよーんとパーカッション的な奏法(ランゲランとの演奏もそう)でしたが、このラインナップではけっこうガツンとメリハリの効いたキットの鳴らしぶりです。
 リーダーのことなんにも書いてませんがまあ演奏をお聞きください。
  

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