Non dimenticar / Aldo Romano (1993)

「イタリアの音楽? ああサイゼリヤで流れてるようなやつね」と世間のひとは思うけれど、カンツォーネだけがイタリアの全てじゃない。
でもイタリア人のソウルの中には今もきっと懐かしのカンツォーネが地下水脈の如く流れ続け、それが今に至るまでのイタリア製のポップスやジャズやロックにまで通底する味わいを作り出す元になっているのだと思うのだ。

そんなイタリアのジャズメンがカンツォーネの名曲カヴァーアルバムを大真面目に作るとこうなる。
リーダーのアルド・ロマーノは言わずと知れたフランスの、でもルーツのイタリアに拘り続けるトップドラマー(じつは歌も歌う)。
ドラマーのソロアルバムなのにもっと叩かなくていいんですかと気遣ってしまうほど控えめなドラミングに絡むのはベースのディカストリとトランペットのフレス。ピアノはフランコダンドレアというひと。
オーソレミオも帰れソレントへもエスターテもヴォラーレも揃えた超ベタな選曲ながら、フレスのまろやかなプレイに導かれて程よいクサさとほっこりする叙情に身を任せなさい。これがイタリアですよ。
持ち帰りでサイゼリアのミラノ風ドリア食べながらおうちでぜひどうぞ。
タイトルは「忘れない」。

注)サイゼリアで流れるBGMを店内で2時間粘って全曲Shazamし、「おうちでサイゼリア」リストを作った御仁がいて頭が下がる。見ればジリオラチンクエッティとアントニオブオノモだけで構成されており、手抜きすぎだろもうちょっとよく考えてはどうだサイゼリヤと思うのだが。



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