15 August 2018

Absence / Kristjan Randalu

以前にもご紹介したエストニアのピアニスト。
 旧作のレヴューで「その後の最近の編成」として載せたのがフィンランドのMarkku Ounaskari (Dr) とベーシストとのトリオだったのですが、続いての新譜はギタリストBen Monderとのデュオ作。しかるのちそこにオウナスカリが合体。ベース抜きという変則トリオで(オウナスカリが所属していた)ECMから晴れてリリースとなったのが本作です。

 これまでのランダルの冷ややかで硬質なコンポジションに、オウナスカリの以前のピアノとのデュオ作「Kuala」に通じるECM的ぼよよん感を加えた感じと言いましょうか。ギターも空間的、アトモスフェリックなフレーズを繰り出し、オウナスカリの非定型的なフレイジングと相まってジャケ写の海よりもエストニア南東部のただただ広大な風景や森を想起させる音像です。

 新譜リリースを機にspotifyで旧作も聴けるようになりました。本作でランダルを知ったかたは「Desde Manhattan」もぜひ。

 とかなんとか下書きをあっためてる間になんと!ランダルの来日公演が決定しちゃいました。単独ですが新潟にも来ますので山形当たりの方も是非(わたしは行けませんけど)

4 August 2018

Jenny e la bambola / Gli Alunni del Sole

【Spotify, Apple music で聴けるようになった記念】
 古今のイタリアの美メロぷっぷす(←打ち間違えたけど面白いのでそのままにしとく)でうひうひ言ってるわたしですが、原点がイ・プーとこのアルンニ・デル・ソーレ。
 イタリアの大阪・ナポリ出身とあって、曲によってはライオン奥様劇場になってしまうこともある曲やアレンジのくっさいコテコテぶりは、聴き終わると髪の毛がチーズとオリーブオイル臭くなったり、鼻からパスタが出たりするという(うそ)ほどです。あまりの臭さにイタリア好きからもあまり評価されないバンドですが、Bottega dell'ArteやIl Giardino Del Sempliciといった類似バンドは薄味すぎて萌えないという、わたしのような変態ファンもいます。
3rdアルバムはトータルな造りとインストパートのプログレさでわりと世間の評価も高い。もちろんわたし的には最高作。
 メジャー調の曲でもそこはかとない「遠い目」感が漂うのがこのバンドの持ち味ですが、このアルバムで突出して気合が入っているバンドの演奏と、このうえなく美しいオーケストラに支えられて、A面1曲目からこれでもかといわんばかりの哀愁美メロの応酬。
 トータルな物語が終わったあとにアルバムを締めくくるウルトラ名曲「Un altra poesia」もイタリア演歌史上に残る名曲。
 動くデルソレとは、ありがたい時代になったものだ(でももちろんRAI名物口パク)。
 それにしてもベーシストのネクタイの結び目のでかさよ。

Live in Finland 1971 / Fairport Convention

英国電化トラッドの先駆者FC、歌姫サンディ・デニーが抜けてから 再加入するまでの 野郎ばっかりの FC は あまり人気がない (私だけかも) のだが このライブはすごい 。
 「サンディ辞めちゃったし、もういいんだもんね野郎ばっかで好きにやらせてもらうもんね」というヤケっぱち感すら感じられる。
 スウォーブリック のフィドルは 歪みまくって クリムゾンみたいだし マタックスの太鼓は 当時のボンゾが「 マタックス半端ないって、あいつはヤバい」と評したというのが頷けるような暴れ太鼓ぶり。なんでフォークでそういう叩き方をしなければならないのか小一時間問い詰めたい。



2 August 2018

Serú Girán ~ La Máquina de Hacer Pájaros も

 アルヘンチナロック界の歴史的バンド、というよりPat Metheny GroupのPedro Aznarがいたバンド、というほうが通りがいいこのバンド。1stアルバムがプログレ者の間で名高いものの、むしろその後に出た3枚のアルバムのほうがシンフォニックな造りでプログレのツボを押します。

 ジャケを見ると、とりわけ2ndはプログレ者は手を出すのがためらわれますが、大御所Charly Garciaの分厚いキーボードアレンジ、変拍子バシバシのタイトなドラム、そしてなんといってもAznarのフレットレスベースとヴォイスの叙情は聴き応えあり。
 国民的な人気を博しただけあってそれなりにポップな部分もあるけれど、ブラジルのミナス系のスケール感と叙情にプログレの薫りを感じて楽しめる向きにはおすすめ。


 GarciaがSeru Giranの前に組んでいたバンド、La Máquina de Hacer Pájaros も洗練されたプログレッシヴな音で、こちらもたまりません。

1 August 2018

Faun

 ドイツ人というのはジャズをやらすとあんなにかっこいいのに他のジャンルでは概して格段にドンくさい(だがそれがいい、というのもあるんだけど、ノヴァリスとか)というのが定説ですが、このバンドはなかなかイケてる。トラッドや古楽をベースに、リュート、バグパイプ、ハーディガーディなどの古楽器をフィーチュア、というとまたどマイナーな世界と思われるでしょうが、これが売れてる。アルバムはドイツ本国はもとよりオーストリアとスイスでもチャートトップ10に入ってしまうぐらい売れてて、やっぱりドイツ人てどっかヘンだよなと思わざるをえません。
 ふたりの女性シンガーはじめメンバーは正式な音楽教育を受けており、そのへんのゴスねいちゃん/にいちゃんとは違うのですな。

 こういうジャンルをペイガン・フォークというそうですが、クラナドとオールアバウトイヴと北欧のいわゆるラジカルトラッド(シンガーの好きなバンドにフィンランドのGjallarhornが)を混ぜてよく振ったようなサウンドはプログレ者にもアピールするでしょう。



ゴス/ メタル系フェスでの最新ライヴですが、集客すげえ。

30 July 2018

Jazzkaar 2018 放送音源

毎年4月、エストニアはタリンでやってるフェスJazzkaar。ライヴの放送音源がもう聴ける。
Heikko Remmel Quartetヨエル・レンメルの兄ちゃんヘイッコ(b)のリーダーカルテット。といってもピアノはヨエル、こいつがスタンダードやるとさらにビルエヴァンスぽくて佳い。klassikaraadio.err.ee/745078/kontser

Kadri Voorand, Liisi Koikson, Jaak Sooäär, Paul Daniel, Eesti Filharmoonia Kammerkoor
人気女性シンガー2人に、ジャズとトラッドを股にかける芸風のギタリスト2人、そしてエストニアフィルハーモニック室内合唱団が加わってトラッド曲をしばき倒すプログレ大会  klassikaraadio.err.ee/745073/tana-ko 


29 July 2018

Progglådan box (40CD)

 70年代スウェーデン Sveriges Radio の放送用ライヴ音源を集めたこの40枚組BOX,2013年に出たけど誰が買うねんアラブの石油王かよと思ってたが、いつの間にやらApple MusicでもSpotify でも聴けるようになってました。ありがたいこっちゃ。

 40枚全部がいわゆる狭義のプログレというわけではもちろんなく、当時「新しい」とされていたあらゆるオルタナティヴなジャンルのアーティスト83組、パンク、ブルース、ジャズロック、フォーク、SSW、そしてプログレと、何でもありの品揃え。

 プログレに関しては70年代のスウェーデンを代表するバンドがひととおり網羅されており、演奏も音質(放送用だから当然だけど)もクオリティも高く、愛好家は聴いておく価値ありです。

まずはトレティオオーリガ・クリゲット73年。1stの曲+再発CDだけに入ってた未収曲。音質音圧ともこっちのがいい。

CD6はカイパ78年、ダイス77年、そしてあまり知られてない、アルバム1枚のみ残したシンフォ系のHorizont 77年は貴重。

どういうわけかシンガーソングライターののバックバンドやってるカイパ。曲は大したことないんだけどバックの演奏が異様なまでにカイパで浮いてる。https://itunes.apple.com/jp/album/proggl%C3%A5dan-box-c-cd5-folkprogg-sjungande-l%C3%A5tskrivare/1057023392

むかしプログレ者にも人気だった歌姫Turid。67年から76年までの音源でこの人だけで丸々一枚。トラッドみたいなサイケフォークみたいな。
https://itunes.apple.com/jp/album/proggl%C3%A5dan-box-c-folkprogg-sjungande-l%C3%A5tskrivare/1059171287

ゲオルグ・ワデニウスのメイドインスウェーデン年はトリオ編成のジャズロック。ドラマーとデュオのボー・ハンソン@67年は意外にも普通のオルガンジャズ。https://itunes.apple.com/jp/album/proggl%C3%A5dan-box-b-cd5-instrumentala-experimentella-urproggare/1049395697